杉山尚子『行動分析学入門』(集英社)を読みました。集英社新書のカバー・デザインは原研哉ですが、美しいですね。
行動分析学 behavior analysisはB.F. Skinnerが創始した学問で、「行動随伴性」という概念で行動の原因を探るというものです。
p.44
行動随伴性:行動の原因を分析する枠組みで、行動とその直後の状況の変化との関係をさす
たとえば、ピザばかり食べるボクの行動随伴性を記すと、
直前 行動 直後
空腹である → ピザを食べる → 満腹である
となります。ピザを食べるという行動は、直後の状況の変化により、「強化される」といいます。(脳科学でいうと、ピザを食べた結果、満腹となり、ドーパミンが放出され、強化学習が起こったというところですが、行動分析学においては神経科学的な説明を避けるとのこと(p.19)。)
強化された行動は繰り返されるので、ボクはピザばかり食べることになったのです。このように強化を引き起こした「満腹である」という状況を「好子」(こうし)と呼んでいるようです(p.47)。
行動分析にあたっては、実験が行われます。
直前 行動 直後
ルルーシュグッズなし → ピザを食べる → ルルーシュグッズあり
という状況があるとします。ピザハットが行っていたルルーシュ・キャンペーンによって、ある男性がピザを食べたとします。ルルーシュ・グッズが手に入ったことに気をよくした彼は、ピザをどんどん食べました(ピザを食べるという行動が強化されました)。これを実験的に確かめるには、ピザを食べてもルルーシュグッズがもらえない場合に、彼がピザを食べなくなるかを確かめたらよいことになります。
直前 行動 直後
ルルーシュグッズなし → ピザを食べる → ルルーシュグッズなし
これでも、彼がピザを食べ続けたら、ルルーシュグッズは彼の行動の原因ではなかったとわかります。これで、彼がピザを食べなくなったら、ルルーシュグッズが真に原因となっていたと判断できます。
このような実験的手法を用いることから、スキナーは自分の学問をthe experimental analysis of behaviorと呼びました。それについては以下の論文が参考になります。
What is the experimental analysis of behavior?
B. F. Skinner
J Exp Anal Behav. 1966 May; 9(3): 213–218.
doi: 10.1901/jeab.1966.9-213.
http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?artid=1338181
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